原油価格に早々と米国が政治介入の驚き
昨日の夜まで、7月2日のOPEC増産協議決裂を受けて、原油価格が急上昇の動きから、深夜、何と急落を始めた。
ガソリン価格上昇で、政権批判に繋がることを恐れるバイデン政権が、早々と先手を打って、原油価格上昇を沈静化させるべく、OPECに圧力をかけた速報ニュースが流れた。原油価格の不可解な急反転、下落を私は納得した。
原油価格の下落に賭ける投機筋には地獄を見せると息巻いていたサウジ、減産の長期化を目論むサウジアラビアは、思いがけない展開に当惑しているだろう。
去年の春の原油価格が史上初の奇異なマイナス市況になった時は、世界第1位の大産油国のアメリカは、トランプ政権が、下落を続ける原油市況を減産で立て直せとサウジに脅しをかけたが、今回は反対に原油が価格を増産で下げろと云う脅し。
それが政治だ。(今回は、多少の増産はするが基本的には、減産の長期化を目指し合意寸前だったOPEC会議で、過去に見たこともないアラブ首長国連邦のサウジへの強烈な反発があった。会議の決裂の背後にはアメリカがいたと私は推測する)
サウジの安全保障を盾にしたアメリカのサウジへの脅しは、政治的には効く。
ただし、自然の生き物のような面もある市況は、時に制御が難しく、政治的意図を欺き翻弄もする。
もし、OPECがすぐアメリカの云う通りに増産しても、それは今回のOPECが元々やろうとしていたこと。それでも、今は需給タイトで、原油は、上昇することになる。
また、激動の原油市況と、激変する国際政治を観ることとなるのか?と想う。