昨日、カミュの「ペスト」の特別番組、
2018年6月にNHKの「100分で名著」の再放送が昨日あり、改めて昨日見て、カミュの思想、生き方に共感を新たにした。
人の心の中に潜むペスト、「戦争」「大災害」「親しい人の死」など、人生でめぐり会うあらゆる「不条理」は、人の心を激しく揺らす。
そこで、白黒つけて、(正義を掲げて)強い側に立つと意気込むことは、無意識に加害者側に回ること。
カミュは、「ペスト」に立ち向かう唯一の武器は「誠実さ」だと云う。
日々の生活と「誠実」に向き合うことが、いくら弱くても、いくら揺れても、真剣な、最も人間らしい生き方と教えてくれる。敗北者側に立つことを恐れない、揺れる生き方にこそ「愛」があると云う。
物事に白黒付けて(一色になって)、断罪すること(ペスト)が、戦争や追放、新たな失望、悲劇を生む。
カミュは、「ペスト」になぞらえて人間の傲慢な、白黒付ける考え方では安らぎは来ないと、彼の人生経験から真剣に訴えている。