蛍の墓、悲しくて読み返せない本、
私には、悲しくて読み返せない本がある。
9日亡くなった野坂昭如さんの「蛍の墓」。
戦争孤児の兄妹の見た人間社会。栄養失調で死に行く妹を助けられない兄の慟哭。
空のドロップの缶を持ち石ころを舐める幼い妹。
背中に背負った、衰弱して行く妹に、街へ行って食べ物を探して来るからと云うと、か細い声で、行かんでと云う。大好きなお兄ちゃんに抱かれて死にたかったのだ。
二度と飢えた子どもの顔を見たくないと云うのが、野坂さんが1974年、参議院立候補の時のスローガンだったと云う。
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