手放した世界を、仏と云う、
昨日、改めて住職に聴いた、雪山童子(せっせんどうじ)の逸話に、強い衝撃を受けた。
雪山童子は、山の中で「諸行は無常なり、これ消滅の法なり」と云う声を聴く。
何とその言葉を言ったのは鬼であった。雪山童子は、鬼に次の句を聞くと、鬼は、俺は今、腹がすいておると言った。
雪山童子は、意を決して、「消滅滅し止んで、寂滅をもって楽となす」と云って鬼の口に飛び込んだ。
私は、それだけで、もう十分、衝撃的な教えだった。
その鬼が、即座に、観世音菩薩に変わったと云う結末は、聞いても聞かなくても、どちらでも、同じ話として心に大感動を与えた。
全てを手放した世界を仏と云う。
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