流転の果て、"無我と云う本当の私"を目指して、
「流転三界中、恩愛不能断、棄恩入無為、真実報恩者」、此れは、葬儀の時の戒名を与える時に、よく云われる言葉だと知った。欲界、色界、無色界を流転しながら、執着を断つことは難しい、修行の果てに、やがて無為の世界に入ることが、真に恩に報いること。
そして、戒名とは、終りに頂く名前ではなく、"此れから修行して行きなさい"と云う言葉だと云う。
馬祖太子が、両親との縁を絶って無為の世界に入る修行の時の厳しさの話を、昨日、住職から聴いた。
世間で云う親孝行を遥かに越えている世界。
全ての男性が父親に見え、全ての女性が母親に見える世界。
そのような境涯に達することが、親への恩に報いること。
家族を越え、家族がやがて全てに拡がる世界。"無我と云う本当の私"目指して。