紅葉の宮島の光景を目に浮かべながら、
12月中旬にアラブへ帰任するアラブ人が、5年の任期中、最近訪れた、宮島にいたく感動していた。丁度紅葉に映える宮島に、日本で一番美しかった光景と評した。
宮島の大鳥居が8回改築されたことなど、ガイドさんから聴いたことも色々私に教えてくれた。家族で泊まった旅館(石庭)が、また日本で最高の旅館だったとも云って、感激していた。
原爆記念館に自分の子供達(幼稚園の男の子、小学生の女の子)も、教育になると想い勇気を出して連れて行き、好かったと云っていた。 小学6年生の時、白血病で亡くなったサダコの話、1000羽鶴の話も、アラブ人の家族に強く印象に残ったと云う。そして、男の子から、「お父さん、人間はどうして戦争するの?」と聞かれたと云う。
これから、帰るアラブの地で、しっかり生きていって欲しいと想う。
アラブ人家族にとって、日本は離れがたい場所、だけど、本来の帰るべき場所がある人生のジレンマ。本来の帰るべき場所には、本来の自分のあるべき姿もある。
人生も同じようなものかと想う。人生(煩悩)は、離れがたい場所、だけど本来の場所は、仏性(自他一如)の世界。死は、仏性に帰ること。脳裏に浮かんだのは、そんなことにまで想いを馳せる、宮島の美しさの光景だった。