"一指頭の消息"、 胸の前に指一本をスーッと立てる時の安らぎ、
住職は、先日、軽い脳梗塞で倒れられた時、救急処置が終わり、救急処置室に弟子が入ると、ベッドに寝たまま、指を一本立てられ、「これがあるから大丈夫」と仰ったと云う。
私は、日頃、住職から何度も聴いた「一指頭の消息」の境地に感激し、パツーと涙が溢れた。
これが、修行そのものの形だと想った。
一本の人指し指を、胸の前で立てる時の、全宇宙と一体化した強さ、安らぎを、私は、想起した。
「風なきところに、炎の揺らぐことなし」
無常・無我・涅槃が、立てた指の先に、輝いている。
その光景を、私は、心の世界で、はっきりと映像に結んだ。
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