北へ、初めての稚内、
週末から、日本の最北端目指して、稚内への旅をした。
稚内は、昔、日本から樺太へ渡る人達の出発の場所であり、また帰還の場所でもあった当時の桟橋が、防波堤ドームとして保存されていた。 私は、満洲に渡った人達のことも想い出し、深く感慨に耽った。
稚内で、遠く樺太を見る丘の上にある氷雪の門の碑、9人の電話交換手の乙女達が自決した悲話、その記念碑も見た。 「みなさん、これが最後です。さようなら。さようなら。」と云う言葉が、ずーっと心に残る。
利尻島は稚内からフェリーで約1時間半のところにあった。利尻富士は海抜1721メートル、姫沼の湖面に写る"逆さ富士"に、暫し、言葉を忘れた。利尻島にも、礼文島にも、ゴマアザラシやトドが通年いると云う。礼文島はエーデルワイスなどの様々な高山植物、花々の咲く、"花の島"とも云われる島であった。
アイヌの物語に、縄文時代の人々のような生活を感じたり、私が、今まで、全く知らなかった、旅の趣きであった。
北の国の、新鮮で、純朴な世界の発見に、私は、時間を忘れた。 また、子供時代に置いて来たような好奇心が、また蘇るようでもあった。 このような旅は、疲れることなど考えられない程の、生きていることの歓びの旅でもあった。
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