今の輝き、
若い頃は、体力や時間は十分にあるが、将来の進学・就職・家庭・出世など、不安を抱えて、余裕なく、安らげず、周りは輝いて見えることなどは余り無い。
年を経て来ると、若い頃の価値観が大したことじゃなかったことニ気づき、また時間は限られていて、残された時間は十分ではないことに気づく。体力も衰えを感じる。
だが、年を経て来ると、時間は十分ではないが、体力も十分ではないが、周りが輝いて見えることが多くなる。人生の味わいを感じるセンサーの感度が、若い頃と違うのだ。人生の味わいのマグニチュードが違うのだ。
時間を浪費して失って来たが故に、発達して来た人生の新たなセンサーが作動して来るのだと想う。 些細なことまで、何気ない日常でさえも愛おしくなることもある。
結局、いつでも、人生は、素晴らしさに於いて、バランスがとれていることに気づく。
若さは(精神は暗いが)、物理的な輝き。
年を経ることは、今の輝きが増すこと、精神的な輝きが増すこと。
若くても、年を経ても、それぞれの、旬の時なのだと想う。
「春は花、夏ホトトギス、秋は月、冬雪冴えて涼しかりけり」、 道元禅師の句が浮かぶ。
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