パニックで泣きじゃくる幼児の女の子、出勤途上の小道で、
昨日の朝、駅への小道で、遠くから、道に座りこんで、足をバタバタして、激しく泣きじゃくる女の子が見えた。 その先に、距離を置いて、若いお父さんが、怒った顔をして、女の子の方を見ていた。
泣き止んで、云うことを聞いて、お父さんの方に近づいて行くかなーと私も、祈っていたら、お父さんが更に泣き止まない女の子をその場に置いて、背中を向けて駅の方に歩きだした。 女の子は、お父さんから置いて行かれる余りの恐さで、地面から一度立ちあがり、またその場で、パニックで痙攣する様に、激しく泣き出した。
私は、もういたたまれず、お父さんに近づいて話しかけた。
「このままだと、この子の世界は、真っ黒になってしまいます。 今はただ抱きしめてやってください。」と、目頭を熱くしながら、語りかけた。 沈黙の後、恐かったお父さんの顔が、少しやわらかくなったことを確認して、私はまた、駅ヘ向かって歩き出した。
暫くすると、後ろの方で、女の子の泣き声がしなくなっていた。 お父さんに、また抱っこして貰ったのだと確信した。
私は、もう、今日一日を十分、生きたと感じ、嬉しかった。
女の子、お父さんに、優しさが返って来るお手伝いをしたのだと想った。 そんな、知らない親子との出逢いも、縁だったのだろうか。
Comments