江戸時代の浮世絵の中に、
元住吉に、いつも有線放送の演歌が流れる居酒屋がある。
私が時々一人ふらりと立ち寄る居酒屋。私は、カウンター席で焼酎のお湯割りを飲みながら、演歌を楽しむ。
カウンターの中のマスターは、無口な高倉健タイプ。客は、地元のサラリーマンや、地元の人達。
100年か200年後くらいになれば、将来の人から見れば、このような居酒屋の光景は、江戸時代の庶民の風景を描いた浮世絵のように見えるだろうと想い、嬉しくなる。私が、その浮世絵の中にいるのであるから。
その当時の庶民の暮らし振り、風物など、しげしげと、居酒屋の中を見回して見る。現実なのか、映画のセットの中なのか、浮世絵の中なのか、区別が薄れるところが好い。
ちょっとほろ酔いで、居酒屋を出る。江戸時代の庶民が、駅へ歩いて現実へ帰って行く。
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