母と"婦系図"を語り合う、港が見える公園・神奈川近代文学館、
横浜・港が見える公園にある神奈川近代文学館で、泉鏡花展が開催され、昨日は午後1時半から、1955年の映画・「婦系図」(湯島の白梅)が記念上映(主演:山本富士子・鶴田浩二)された。
私は、昨日、快晴の晩秋の日、午後、桜木町から赤い靴号(周遊100円バス)で、港が見える公園へ行き、バラ園とベイブリッジの眺望を見ながら、文学館へ向った。
"婦系図"は1907年、やまと新聞に掲載された悲哀物語、「湯島通れば想い出す♪・・・・、当時、誰もが泣いたと云われる作品。私の両親も泣いたはず、私は映画を見おわって、姉に電話してみたら、やはり姉も映画を見たと云う。
私は、今まで、漠然としか知らなかった"婦系図"を、昨日、初めて映画で全貌を知ることが出来た。
文学好きだった母は、"婦系図"について、映画を見終わった私に、語りかけて来るように感じた。母は、作品に対しどう想ったかは、私は、母の人生から、想像することが出来る。
"絶望の淵で見る湯島の白梅、湯島天神の階段"・・・・・、どう対処していいか、わからない様な、押し潰されそうな人生の哀しみを、母は、共感して泣いたはずだと想った。
人生を経て来た今の私なら、お蔦にも主税(ちから)にも、苦難への対処の仕方を語る。その様子を見て、母は、たぶん驚くと想う。私を見詰めて、我子と想わないくらい頼もしく感じて、驚くと想う。いつの間にか、精神的に、我子と想えないくらい成長していて、母は驚いた表情と、安らかな表情を見せると想う。
母に云う。私は、住職に出会ったことを、禅の思想に触れたことを。
私は、今年、2月、初めて、何となく、湯島天神の白梅を見に行った。そして、昨日、初めて"婦系図"の映画を見て、湯島の白梅に隠されていた深い意味を知ることが出来た。
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