無限との境界、みなとみらい駅壁面芸術の詩
昨日、横浜みなとみらい駅の長いエスカレーターの巨大な壁に、ドイツ語と日本語で壁面に描かれた詩の概念芸術(米国人アーテイスト・ジョセフ・コスコースの作品)を再び、ゆっくり読み、資料をインフォメーションの係りの人から貰った。
素晴らしい壁面アートだと思い、いつも通りかかると眺めていたが、資料から表題が、"The Boundaries of the Limitless"(無限との境界).であったことを知り、改めてその表題にも感動した。
「樹木は成育することの無い無数の芽を生み、根を張り、枝や葉を拡げて、個体と種の保存に有り余る程の養分を吸収する、樹木は、この溢れんばかりの過剰を使うこともなく、享受することもなく自然に返すが、
動物は、この溢れる養分を、自由で嬉々とした自らの運動に使用する、この様に自然は、その初源から生命の無限の展開に向けての序曲を奏でている、
物質としての束縛を少しづつ断ち切り、やがて自らの姿を自由に変えて行くのである」
これは、20世紀初頭のドイツの詩人のフリードリヒ・フォン・シラーが、デンマークの王子・アウグステンブルグ公に宛てた書簡に書かれた「自然」を歌った詩であると云う。
動物達も人間も、植物を食べさせて貰って、植物と一体化している生命、大自然の瑞々しい生命の営みを感じる。
そして、"無限との境界"とは、個体の死と同義語と感じる。個体の死から、全体への融合、それが、安らぎの背景だと想う。
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