魔法をかけて、一度でいいから話をしてみたい、小6女児の詩
森琴音ちゃん(12才)は、3才の時、事故で心肺停止となった。一命は取りとめたが、低酸素症の重い後遺症で、下半身麻痺と、しゃべれなくなってしまった。 それまではよくしゃべる子だったとお父さん(35才)は云う。
その琴音ちゃんが最近書いた詩, 「私のねがい」。
「私はしゃべれない、歩けない。口がうまく動かない。手も足も自分が思った通りに動いてくれない。一番辛いのは、しゃべれないこと。云いたいことは、自分の中に沢山ある。でもうまく伝えることが出来ない。先生やお母さんに、文字盤を指で指しながら、ちょっとずつ文が出来あがって行く感じ。自分の云いたいことが、やっと言葉になって行く。
神様が、一日だけ魔法をかけて、しゃべれるようにしてくれたら・・・・、 家族といっぱいおしゃべりしたい。学校から帰る車を降りて、お母さんに、「ただいま!」って云う。 「私はしゃべれるよ!」って云う。お母さん、びっくりして腰を抜かすだろうな。 お父さんとお兄ちゃんに電話して、「琴音だよ、早く帰って来て♪」って云う。
二人も飛んで帰って来るかな。 家族がみんなそろったら、みんなでゲームしながらおしゃべりしたい。お母さんだけは、ゲームが下手やから負けるやろな。「まあ、まあ、元気を出して」って、私が云う。
魔法がとける前に、みんなに「おやすみ」って云う。 それでじゅうぶん。」
ただ、"おやすみ"と云う日常の言葉の中にも、こんなにも、人生を賭ける程の深い想いを入れることが出来たのかと、改めて気づかされ、何気ない日常の中にもさしていた光に気づく。
Comments
凄い詩ですね。
今朝の私のモヤモヤしていた心が吹き飛びました。
書いてくださってありがとうございました。
Posted by: 有富邦子 | November 02, 2013 12:43 PM
有富さん、琴音ちゃんの詩の持つメッセージは、忘れていた光を感じさせる強烈なものですね。
コメント、ありがとうございました。
Posted by: life artist | November 03, 2013 06:39 AM