蝉の暇乞い、2013年の夏、
先日、通勤途上、アブラ蝉が私の前に飛んで来て、私に留まりそうになって、私は咄嗟に身を翻した。弱ったアブラ蝉なので、その後、私の歩く地面のそばに落ちた。 鳴かないからメスの蝉。私は、蝉を拾い上げると、まだ、元気に足を動かしていた。
私の手を、よじ登ってみたり、私の手の平の上で遊んでいるようにも見えた。
私は、蝉の顔をよくみて、その目もよく見ていたら、何か、蝉が、「もうすぐ夏も終わり、私も逝かねばなりません。お世話になりました。」と、最後の別れの挨拶に、私に舞い降りて来たように想えた。
まるで、かぐや姫のような蝉。
その後、その蝉は、最後の力を振り絞って、道路脇の街路樹の3メートルくらいの高さのところまで飛んで、留まってくれた。
最後の、木に留まる蝉らしい姿を、私は、記念に何枚も写真に収めた。
蝉との別れ、2013年の夏。
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