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September 20, 2013

13歳の絶望、"ふるさと♪"、沢知恵さんが歌う、

昨日、定時制高校の公開音楽学習イヴェントとして、東京・亀有のカメアリホールで、沢知恵さんのコンサートがあった。彼女は、ハンセン病療養所で、少年院で、震災の東北で希望を歌う人、彼女の持つ仏性は、特別な光を放っていた。

瀬戸内海のハンセン病療養所・大島青松園に13歳の時、送られた塔和子さんは絶望の中に生きて、詩を書き続けた方。13歳の時の発病を機に、他の家族に迷惑がかからぬようにと、姓名まで変えられ、孤独と絶望に突き落とされた搭和子さん。搭和子さんが一番好きだった歌、死の床で、沢さんが歌ってあげた曲、「ふるさと♪」

「うさぎおいし、あの山、小鮒釣りし、かの川♪」・・・・・・・、会場は静まり返った。13歳の女の子にとって、瀬戸内海の海や空は、星はどう見えたのだろうと想った。

沢知恵さんのお父さんは、牧師さんで、42年前、知恵さんが赤ちゃんの時、大島青松園を赤ちゃん連れで訪れた凄い方。療養所の人達にとって、ハイハイする赤ちゃんを見るのは初めてだったと云う。どれだけ涙されたことだろう。

人は皆、幸せを求める。だが、自分が幸せになることが心苦しい気持になることを、私は、はっきり感じた。

沢知恵さんは、亡くなったお父さんが、数ヶ月の余命を宣告された時、思い残すことは、ふうてんの寅さんのビデオをみんな見ることだったと云う。そして、みんな見終わって、お父さんは旅立って逝かれたと云う。彼女がお父さんを想い出しながら歌う、「ふうてんの寅さん♪」・・・・。

それは、人生の美。幸せではなくとも、真剣に生きることの美。それは、仏さまの手の平の上の安らぎ。

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