八木重吉の詩から、旅の車窓の畑の中へ、
図書館から借りてきた八木重吉の詩集をパラパラとめくる。
「母を連れて歩きたくなった。てくてく歩きたくなった。母はきっと、重吉よ、重吉よ、と幾度でも話かけるだろう。」
私は、いつも旅の列車の車窓から田舎の畑の光景を見ると、そのあぜ道を、母と、てくてくと、てくてく・・・・と、歩けたら好いなーと云う気分になる。 母と二人で歩くあぜ道。
そんな重吉の「虫」の詩。 「虫が鳴いている、今 鳴いておかなければ もう駄目だと云うふうに鳴いている」
「素朴な琴」もいい。「この明るさの中へ 一つの素朴な琴を置けば 秋の美しさに耐えかね 琴はしずかに鳴り出すだろう」
八木重吉の記念館は、相模原にあると云う。
相模原の田園風景を、いつか、てくてくと、てきてくと、・・・歩く私を想像する。
(2013年7月25日の記)
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