雪の中の白隠展 : 雪の東京、渋谷・新宿・お台場の旅、
昨日、雪の中、渋谷・文化村に、白隠展を見に行った。白隠禅師(1685年~1768年、84歳没)は、42歳で大悟され、60歳を越えてから、本格的に絵を描き始めたられたと云う。
83歳の時に描いた"半身達磨"(朱達磨)は、代表作として、ポスターにもなっている。達磨の大きく見開いた目は、見る人に、本来、己に備わっている仏性に目覚めなさいと叱咤しているようにも見える。
子供の頃、親に連れられて行った寺で地獄の話を聴き、地獄の恐怖から逃れることが、仏門へ入るきっかけになられたと云う白隠禅師が、修行の末に、"南無地獄大菩薩"と説かれている。 禅の世界の安らぎを想う。
"富士大名行列"では、162人の人物と壮大な富士が描かれている。富士(仏性)に目もくれずに歩く行列(人々)を描いて痛烈な社会風刺をしている。その中で、たった2人、富士の高嶺を見上げる人物がいる。茶店で、富士を見ている僧と、峠の崖の上から富士を見ている旅人。
ちょっと、白隠禅師に渇を入れられる想いだった。
そして午後は、今年の春の満洲の会の世話役を仰せつかった関係で、新宿住友ビルの平和記念資料館、お台場の大江戸温泉物語を下見に訪ねた。(父の世代の満洲の会の大会の世話役を、今年は、戦後生まれの私が仰せつかった)。初めての大江戸温泉物語、広重の絵、雪の庭を見ながらの湯船は、江戸時代の湯治場にいるようでもあった。
渋谷も新宿もお台場も、見たこともない吹雪の中。 幻想的な、雪景色の東京の旅であった。
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