「世界の古典13」、近藤康太郎著、講談社、
古典とは、何十年、何百年に一人と云った天才が、一生を費やして書いたものだ。これを書かなければ死ねないと心で叫んで、遺した命の精髄である。
「古典を読まない人はアホである、損である。」と著者は前書きに書いている。
著者が選んだ古典は、チェーホフ、ラブレー、中島敦、トルストイ、ドフトエフスキー、森鴎外、夏目漱石、エミリ・ブロンテ、シェイクスピア、ゲーテ、ヘーゲル、マルクス、であった。
パラパラと読み始めると、確かに、人生の叫びが聴こえる。
著者は、八木重吉の「虫」と云う詩も引用していた。
「虫が鳴いている。いま、鳴いておかなければ、もう駄目だと云うふうに鳴いている。自然と涙に誘われる。」
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