遺品の中の古びたボロボロの写真、俳優・浅野忠信さんの祖父の逸話
俳優・浅野忠信さんのファミリー・ヒストリーと云う番組を昨日の夜、見た。
彼の祖父は進駐軍の米国兵士で、23歳の時、浅野さんの祖母・イチ子さんと結婚、浅野さんの母・順子さんが生まれた。順子さんが4歳の時、祖父の米国人ウィラード・オバリン氏は、母と自分を、捨てて、米国へ帰ったと思っていた。
ウィラード氏は、妻と子供(順子さん)を連れてアメリカへ帰ろうと提案したが、言葉や環境の心配から、浅野さんの祖母・イチ子さんは、日本に残って、順子さんと生きて行くことを決心したと云う。ウィラード氏は、楽しかった日本での6年間の結婚生活に後ろ髪を引かれながら、寂しく一人で米国に帰国して行ったと云う。それが、この家族の今生の別れとなった。ウィラード氏は、真面目に働き、米国人の子連れの女性と再婚し、65歳で逝去されたと云う。
その後、日本に残した家族のことは、余り話さなかったと云うウィラードさん。
彼の遺品の古びた財布の中から、ボロボロになった、4歳の女の子・順子さんの写真が見つかった。彼は、肌身離さず、順子さんの写真を持っていたのだ。どれだけ愛していたことだろう。どれだけ辛かったことだろう。どれだけ、会いたかったことだろうと想う。
順子さんは今、そのことを知り、人生観が変わられたような、表情をされていた。
このような、エピソードとの縁は、私が、10月初旬、ロンドンから出張の帰り、飛行機の中で、浅野忠信さんの席を隣あわせた時に始まったことを思った。私はウィラードさんの気持になり、そして順子さんの気持にもなった。そして、私の心の中で二人を引き会わせてあげた。私は、浅野さんのファミリー・ヒストリーに、改めて感動にふるえた。
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