ボンヤリとしている時間、その背後
喜びと引き換えに時間を失う。 悲しみと引き換えに悲しみが削られる。 人生は、自然界は、結構バランスが取れているものだとも思う。
喜びでもなく、悲しみでもない時間。 それは、ボンヤリとしている時間。 それは素晴らしい宝石のような時間かも知れない。
例えば、会社の帰りに、ただ、トボトボと駅から家への夜道を何も考えずに歩く。 そんな時間は、時間も空間も超越しているようにも思えて、私にとっては、ちょっとした気づきだった。
幸せとか不幸とか、そんなギラギラした執着は意識にものぼらず、ただボンヤリと、景色を眺める時。そんなボーとした、大切な意味など無い、合間のような時間がよくある。
縦でも無い、横でも無い、上がる訳でも無い、下る訳でも無い、そんな中間の境地は、永遠に通じるものだと思う。
吐く息と、吸う息の交わる境界の領域の永遠性。何か崇高な、領域を感じる。


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