"小さな神様"、石井光太氏講演、円覚寺夏季講座
世界中の貧困、飢餓、病気、災害など悲惨な場面を実体験で取材して回るノンフィクション作家の石井光太氏の講演を、初めて円覚寺の夏季講座で聴いた。
1977年生まれと云う若さで、よくも、これだけ沢山の、悲惨な現場の人間の様を見て来たことかと驚嘆する。彼の行動の源は何かと、人間の深淵なるエネルギー、仏縁のようなものまで感じてしまう。
彼の話を聴くには、ある程度の覚悟が要る。彼が見て来た地獄のような世界は、人間の業が辛すぎるのだ。
書いた書物は、表題だけで、内容の凄さが想像できる。
そんな、地獄のような世界を見て、どうしようもない無力感に苛まれた末、彼は、全ての悲惨な状況の中に、「たぶん"小さな神様"を信じて、この悲惨な人達は生きている」と語っている。
"小さな神様"、大げさな仏陀、キリストなどではなく、身近な何かに"小さな神様"を感じて生きていると断言している。"小さな神様"は、その人にだけしかわからない"神様"。
私も、その"小さな神様"は、どうしようもない哀しみを体験した人には、必ずあると想う。
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