失業保険辞退の訳の驚き、
昨日、友人である若い共働きの夫婦で、去年、仕事を辞め主婦専業になった奥さんが、不図、もらした言葉に驚いた。
仕事を辞めたので、ちょっと節約の生活をしていますと云うのだが、失業保険は申請しなかったと云う。せっかく今まで、保険料を払い込んで来たのだから、再就職の意思ありと表明して、失業保険を貰えば良かったのにと、もったいなく、奇異に感じた。
ところが、「去年は東日本震災で、多くの人が失業したので、そのような被災し失業した人のことを思うと、被災していない自分の分まで、失業保険を申請する気になれなかった」と彼女は云った。聴いた、他の友人達も、私も、一瞬、戸惑って、「すごーい」と驚いた。
お金が無く、節約しなければと嘆いている若者が、自分の失業保険の分は、申請する気になれなっかったと云う。世間には、金持ちでも節税対策や税金逃れなどに腐心する成功者達が多いのに、普通の平凡な主婦のこの生き方は何だと、強い衝撃を受けた。名利にあくせくする生き方とは全く別世界の、高い価値に導かれた命のレベルを、私は垣間見た思いがした。
就職活動していなくても、再就職活動をしているように装って、失業保険は当然貰うのが世間一般の常識だと私は思っていたが、こんな人もいたんだと、そんな人と友人であってよかったと思った。
爽やかな、仏性の一撃だった。
釈迦の言葉にある。 「一切衆生ことごとく皆如来の智慧、 徳相を具有す」。
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