アラビスト・最首公司氏講演会、プレスセンタービル、
先日、社外の勉強会で、初めて最首公司氏の講演を聴くことができた。アラブ関係の書籍を何度か読んだことのある方で、一度お目にかかって、お話を聴きたいと思っていた人だった。1934年生まれの最首さんは、始めに、ご自分がもう父の年齢に達したことに触れ、云うべきことを云っておきたいとの境地とのことであった。
最近のエネルギー革命(シェールガス)が米国の中東へのプレゼンスを薄める流れ、その流れに応じて、イランのシーア派の台頭を怖れる湾岸王政諸国が、イスラムの教えの糸で連合の動きを強めている話(不敬罪などの復活)など、確かにと思った。
印象に残ったのは数年前(2009年)、日本からサッカーの名古屋グランパスがサウジを訪れ試合して大敗した時の、日本のサポーターの行動に、サウジ国王は痛く感動されたとのエピソードも聴いた。負けた後、日本のサポーター達は、観客席の掃除をして去った様子に、国王は感動して、その後のサウジの大祭典(ジャナトリア祭)に日本を急遽招待することにしたと云う。
出席者は、如何にもビジネスマンばかりで、色々な政治経済の話は期待してのことだっただろうけど、私には、最首さんの"限界効用逓減の法則"の紹介に、人生論として感銘を受けた。(貧乏な人には僅かな金でも有難く、金持ちには、他人から見れば大金でも、有難くない)。 「ものが貧しい方が、心は豊かになる」。
そんなことを云う最首さんが、益々好きになった。
2012年5月23日の朝・記ー
Comments