真っ白な一日の気分、キシリトール・ガムの贈り物、
数日前の東横線・通勤電車の中、東京(神谷町)へ向う途中、綱島から80歳くらいのおばあさんが乗って来られて、私は、咄嗟に席を譲ったことがある。菊名発の電車もあり、満員電車ってことはないが、それでも席は当然全部埋まっている。
席を譲られたおばあさんは、とてもにこやかな人で、席に座った後、1分くらいして、バッグからキシリトール・ガムの小さな1箱を私にお礼にとくれた。私は、驚いたが、心よく有難うございますと頂いた。
電車が次の日吉駅に着く直前、おばあさんの前の席の人が降り、席が空いて、おばあさんは、私に座るように促してくれ、また私はすぐ座れることとなった。結局、ほんの一瞬の出来事のキシリトール・ガムの貰い得の出来事。
おばあさんにガムをお返ししても好いくらいに思ったが、あばあさんの好意でもあり、笑顔を確かめて、ガムを開封して食べ始めた。おばあさんは、「よしよし」と云っているような、優しい穏かな表情だった。
おばあさんは、田園調布で下車する時、私に、深々とお辞儀をして、電車を降りられた。私のポケットには、キシリトール・ガムが残った。キシリトール・ガムを噛むと歯が真っ白になると云う。私の、心も真っ白に磨かれる想いだった。
私が、月に2回、坐禅会で訪れる綱島、綱島から乗って来られた「ほとけ様」との数分間の遭遇だった。私の様子を見に来られた「ほとけ様」の表情が鮮明に心の中に残った。
そして真っ白なキャンバスに、新たな一日が始まった。
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