永遠に変わらない感動を求めて、日本画家・高山辰雄
今朝・早朝のNHKで、あの人に会いたいと云うNHKアルカイブの番組で、日本画家・高山辰雄(1912-2007)の放送があった。95年の生涯で、彼の絵の描き方、彼の言葉に、仏性への直感に導かれた足跡を感じた。それはまるで、禅僧の修行ような覚悟でもあった。
彼が、若い頃、読んで、救われたと云うゴーギャンの伝記。「捨てないものがある、それが生きている証」と気づいて、自分の画家の道に覚悟ができたと云う。それは、自分が何かに執着する過程で、彼が学んで行く入り口になったのではないかと思う。
心象的風景画と云われる彼の絵には、人間的な安らぎの中に何か深い心が沁み出し、それは道を渇望するかのようなエネルギーが漂っている。音の無い、雪景色の中、人の気配を感じる「白い道」。
彼は、個性と云う言葉は嫌いだったと云う。彼は、個性より、共通なものを求め続ける生き方であった。晩年、何処へ辿りつきたいかわからないが、それが確かにある。それがわかれば、自分の筆が自然にそれを追いかけることができるのに、とも云っている。永遠に変わらない感動が、きっとあるはずだと・・・。彼は、修行し続けて、95年の生涯を終えた。
彼の感じ方、言葉は、はっきりと、仏性の灯りをとらえて生きたのではないかと思った。高山辰雄を導いた灯りの耀きを、彼の絵を通して見ることができる。彼の絵は、そんな安らぎを与えてくれる気がする。
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