嵐は人生そのもの、台風の日に、
自分が実際に見ている世界を、大スペクタクル映画の場面と思えば、大迫力に感じることができる。特に台風などの日は。
嵐の日に、じっと家の中で、過ごす一人の時間も、人間が原始的に感じられ愉しくもある。子供時代も、興味深々で、自然の猛威を眺めていた。
嵐は何か意思をもっているかのように、力強い。まるで、抑えられない、ハチャメチャな人生のようにも見える。
嵐は粗雑、静寂な日は繊細。粗雑な樹木、静寂な種子となぞらえて試る。
目に見える人生や、肉体は、粗雑な嵐みたいなものかと思う。そう思うと、滑稽で愉しい。ただ、治まるのを待つ。駄々をこねる子供が、疲れて寝てしまうように、いずれ本来の静寂が訪れる。そして、人間は静寂の美を知っている。
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