高島野十郎の蝋燭の絵の数々、まなざしの光り、
先日九州へ帰省の時、久留米・石橋美術館で、高島野十郎・里帰り展に行き、彼の描いた数々の作品を見た。
とりわけ、彼は蝋燭の絵を何枚も描いている。彼は、その絵を売る為に描いていない。彼は、自分が描いた蝋燭の絵を多くの人達に贈っている。
彼が、蝋燭の絵を贈ったそれぞれの人達から、集められた傑作の数々約20点が石橋美術館に集められ展示されていた。蝋燭の絵は、それぞれの灯りを点して揺れているように見えた。
蝋燭の灯りは神秘的で、生命の灯りのようにも見える。野十郎と、贈られた人にしかわからない耀きもあるように見える。野十郎にとって、絵を描くことは、魂の叫びであったのだろう。
買って来た、分厚い、野十郎の作品集を時折眺めると、何故か、色々な人生の場面が浮かんで来て、心がやすまる。
一見、蝋燭は同じように見えても、一つ一つ違った焔を灯して揺れている。灯りは時間も空間も越えている。
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