ベランダの蝉の死骸、
昨日の朝、私の部屋のベランダにアブラ蝉の死骸を見付けた。拾い上げて、しげしげと眺めて、そっと、そのままベランダの隅に飾っておいた。この蝉は、私が蝉好きなことを知って、私の部屋のベランダに、死に場所を見付けてくれたのではないかと、愛着を感じた。
夏も終わりに近付き、通勤途上にも、道路で、蝉が、大の字に仰向けに、死んでいる姿をよく見かける。
その姿を見ると、私は、拾い上げて、近くの茂みに置くようにしている。通りかかる車のタイヤにつぶされたり、蟻のエサになるのが忍びない。
それでも、蝉の死に方に、いつも感心させられる。余りにも、堂々と、あっけらかんと仰向けに道路に落ちて死ぬ姿に。目立つような場所に死んで、寧ろ、蟻のエサにでもなって好いと思っているかのように。
蝉の声が、夏の終わりを告げるように鳴いているこの頃、感慨に耽る。
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