3万人の衝撃
東日本大震災の犠牲者・行方不明者が4月末で約2万7千人に達したことを漠然と想いながら、先日の遠藤周作展での講演を聴いていた時、講演者の方が、日本での自殺者は相変わらず年間3万人ですと触れられた。
その瞬間、震災に匹敵、あるいわ震災以上に多くの人々が、苦しみの果て、自ら命を絶っているのだと、私はハッと気付かされた。
ただ、漠然と年間自殺者3万人と統計の数字として、無機質に覚えていたことに、我ながら愕然とした。
震災のあとの瓦礫、廃墟、絶望、無常観の光景は、最近現実に見て唖然としたが、それと同じか更に酷い地獄の様な光景を心に抱いて、人知れず苦しみ、死に行く人が、平和そうな日本に3万人もいたのだ。
今思えば、遠藤周作さんの魂は、渾身の力を込めて、苦しむ人に気づいて下さいとメッセージを送ったのだろうと想った。遠藤周作さんの魂は死して尚、苦しむ人の傍らにいなさいと、伝えているように思えた。
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