岡本敏子著、「いま、生きる力」
数日前、娘が、「お父さん この本いいよ」と云って、読むように貸してくれた文庫本、岡本太郎の養女岡本敏子さんの「いま、生きる力」(青春文庫)であった。
いま20代後半を娘が、どう考えて生きてるのだろうと普段思っているが、少し話しても、深層はわからないが、書籍を渡されると、何だか、深く知れるような気がして読んでみた。
「踏まれても、蹴られても、どんなに抑えつけられ、ひどい目にあっても譲れないものがある。そんなもの放り棄てて逃げればいいじゃないかと思っても、どうしても背負わずにはいられないもの。自分とは厄介者であり、愛おしくもある。」
「自分ほど面白い宇宙は無いんだから。そして、それは今この瞬間に起こるドラマなのだから。何が起こるかわからない。一刻一刻展開する。生きるって、そう云うことでしょう。だから眼が輝いて来る。自分をそっと傷つかないようにしまいこんで甘やかしていては、いつまでたっても自分なんて見えて来ないし、生きてる実感なんてない。生体解剖しなければ、自分を投げ出さなければ、自分にはなれない。」そんな文章が、私の印象に残った。
若い頃満洲への駆け落ちに失敗した母の生き方を,私は想い出した。
娘が今、人生で、そのような光景を、関心をもって見ているのかと思うと、大人になって青春を生きていることがわかって嬉しくもあった。そのような娘をどう見守ればいいのかと云うのも、禅の哲学が暗示を与えてくれる。
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