柴田トヨさんの詩との出遭い
「子供と手をつないで貴方の帰りを待った駅 大勢の人の中から貴方を見つけて手を振った 3人で帰る小路に金木犀の甘い香り 何処かの家から流れるラジオの歌 あの駅あの小路は今でも元気でいるかしら」
昨日の日経新聞夕刊の一面の下の広告欄に、柴田トヨさんと云う人の詩集の宣伝が載っていた。今朝、不図私の目にとまった。
私は、いつもJR武蔵小杉駅の改札へ行くと、娘が3歳くらいの頃、時々、武蔵小杉駅に迎えに来てくれていた頃を想い出して、胸がキューンとなる。当時あった、エルシーと云うホテルのカフェで、3人でケーキを食べて、会社の社宅へ帰ったっけ。私にも、そんな時代があったなー。
柴田トヨさんと云う方は、1911年生まれ、産経新聞の「朝の詩」の投稿の常連の方で、90代に入ってから、詩を書き始められたと云う。2009年10月、飛鳥新社から自費出版されてから、大反響の詩集になったとのこと。新聞に載った、柴田トヨさんの、その穏かな表情は、修業の求める境地に通じるものを感じた。
幼児の娘が、駅の改札で、私の顔を見つけた時、「パパー!!!」 と云って、飛びついて来た時の想い出。私の一生の、宝であり、一生のエネルギー。そのような場面は、再び無くても、厳然と私の脳裏には、刻まれていて、何時でも鮮明に想い出すことができる。
それは、人生の祝福。想い出は、センチメンタルなものではなく、今を生きる原動力。想い出は、今の人生を形づくっている。
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