笑顔の冷たさ、悲しみの優しさ
笑顔は幸せの象徴、いつも笑顔でいたいと人は望みたがるもの。
でも、笑顔の裏には、自分の心地よさに覆われ、一時他者の苦しみ悲しみを忘れている状態でもある。
世の中で成功していると云われる人や、優秀と云われる人、裕福な人の自信たっぷりの笑顔は、時に傲慢で、薄っぺらで、冷たく感じてしまう。
一方悲しみの表情には、その人の悲しみや、他者の悲しみへの理解・共感が感じられ、慈悲の優しさ、暖かさが感じられる。
笑顔を求めて生きても、笑顔の冷たさを忘れてはいけない。悲しみを避けて生きても、悲しみの持つ優しさを想い出すのもよい。
そう云えば、仏像の表情は、微笑みと悲しみを共に表しているようで感動する。仏像の表情には、身勝手な傲慢な微笑みなど感じられない。大人の笑顔は、そんな微笑みでありたい。
Comments