「描かずに表現する」ことに感動
秀吉の時代の、長谷川等伯の松林図の解説を、TV新日曜美術館で聴き感銘を受けた。
墨で描かれた疎らな松林、松の背後の大気をも捉えて、空を描いている。
静寂を描いて、シーンと云う音が耳に残るほど。だが、細かく見ると、荒々しさと静寂さが同居している。
影を描いて、実体を暗示する。俳句も同じこと。
狩野派がオーケストラなら、等伯はソリスト。
このような、等伯ファンの声を聴きながら、松林図を眺めた。描かない空白に、画家の渾身の表現があることに感銘。それは、人生の深い味わいであり、人生の賛歌。
Comments