「時の花」、万葉集の言葉
昨日、朝TVで万葉集の番組をたまたま見た。大伴家持の歌に、「時の花」と云う言葉があり、解説を聴き驚いた。それは、時が咲かせる花のようなひと時を歌っていて、その時、その時の、一期一会的な味わいを詠んでいることを知った。大伴家持が天皇を慰めるために詠んだ歌だと云う。
私は、道元の「春は花、夏ホトトギス、秋は月、冬雪さえて涼しかりけり」と云う歌を想い出した。人生のその時のおりおりに、時の華が咲く。そして、秋は春を羨ましがらず、春もまた秋を羨ましがらず。
それは、時の持つ美学。
生老病死も、時の移ろい。ただその時を、そのものとして、味わえば好い。夫々に真剣な時であり、美しく、また味わい深い。
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