小さな善行の愉しみ、木枯紋次郎みたいに
昨日、通勤電車の席にやっと座れて、メモに目を通していたら、電車に妊婦さんが乗って来た。私は、ちょっと、気付くのが遅れたが、まだ座れたばかりの席を、即座に譲った。席を譲られた妊婦の方は、喜んで会釈して座った。
そして、私は、恩着せがましくならないように、また照れくさいので、わざと遠くに移動して立った。善行をして、さっとその場を立ち去る、すがすがしさ。「通りすがりの者でござんす」とか、木枯紋次郎みたいに思った。
そして、私は思った。あの妊婦さんは、きっと、「世間も優しい人がいる」と思ってくれただろうと。そうすると、穏かな、元気な良い赤ちゃんが生まれる。それで、日本の将来も安泰だとか・・・。
電車に乗りこんで来て、一瞬、誰も席を譲る気配は無かった中、私が席を譲って、妊婦さんにとっては私が神様に見えたかもしれないと思うと、内心、微笑んだ。大人げなく、クレヨンしんちゃんのように、「それほどでもー」とつぶやいた。
席を譲って、立ったままになっても、結局、気持ち晴れ晴れ。二宮尊徳の言葉、「譲って損なし」を想い出した。通勤電車の中で、一人芝居の大ヒーローって感じだった。好い一日の始まりだった。
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