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August 28, 2009

「いってらっしゃい」の響き

私が出勤途上、何時も通る駅への小道の脇に、山の上の家に続く急階段がある。その階段を朝、よく小さな箒で掃いている、ご年輩のおばさんがいる。掃除終了後か中休みか、時々、階段の中腹の踊り場の手すりに腰掛けて、穏かに通行人を眺めてらっしゃる。

昨日の朝も、その光景であった。私が、そちらの方に目をやると、何と、「いってらっしゃい」と声をかけて下さって、びっくりした。私は、慌てて、戸惑った感じで、会釈した。

何年も通っている通勤の小道、何度も見かける、階段を掃いてるおばさん。近所の人との立ち話が聞こえた時、確か90代なのに、元気ですねとか、云われてらっしゃったから、たぶん90代なのだろう。その表情は、とても穏かで、ちょっと、私の亡くなった母の面影を感じさせるおばさんだった。

そのおばさんから、突然、予期せぬ、「いってらっしゃい」の声には、全くの驚きに戸惑ったが、即座に、嬉しくて、涙がどっと湧いてきそうだった。そう云えば、何十年も、「いってらっしゃい」と云う言葉を聞いていなかったように思う。

今度からは、朝、通勤途上、もし会ったら、堂々と、「いって来ます」と、云えることを、とても幸せに思う。

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