「ちいちい蝉」を鎌倉・円覚寺に葬る
先日朝、自宅から駅へ歩く道すがら、路上に、懐かしい「ちいちい蝉」の亡骸が落ちていた。拾い上げ、子供時代によく見慣れた、「ちいちい蝉」の姿が、たまらなく懐かしく、愛しかった。私は、蝉を、ハンケチの中に、そっと包んで、ポケットの中にいれて、その日は家へ持ち帰った。
翌日、鎌倉・円覚寺の夏季講座に参加するため、早朝、円覚寺へ行く時、そうだ、この蝉を、円覚寺境内に葬ろうと思って、蝉の亡骸を持って円覚寺へ行った。そして、境内の木のふもとの茂みに、その蝉を無事葬った。そして、ちょっと、ご本尊へ参拝する時に、心の中で、その蝉のことを報告、弔いを頼んだ。
その後、夏季講座のある方丈へ向かう、小道脇で、ワーと、「ちいちい蝉」達の鳴く声がこだました。うっそうと茂る木々の中に、チーチーチーと、あの懐かしい声々が響いた。
「ちいちい蝉」達と、私の魂の交流のひと時であった。
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