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June 13, 2009

ジブシー、旅芸人、演歌、ジャズ

今月号の会員雑誌「選択」に、ロマ人(ジブシー)の記事があった。欧州全域に800万~1000万人がいると云う。ロマ人が故郷とされるインド北西部を離散してでて行ったのが10世紀頃と云うので、紀元前8世紀~6世紀のユダヤ人の国家喪失よりはかなり新しい。

ジプシーは、ユダヤ人と違って、刻苦勤勉や蓄財より、自由を求める民だった。開放の自由を上位の価値観においた。実質失業率は90%と云う貧しさ。

日本でも長男以外は、食って行くために、ジプシーのように彷徨いながら、自分の食い扶ちを求めて生きて来たようなものか? そこに、旅を歌う演歌への大衆の共感が潜んでいると思う。北へとか、どこかに流れるとか、今日は函館、明日は釧路とか。確かに演歌は旅が多い。昔の新潟などにいた盲目の旅芸人「ごぜ」と云うのも想い出す。放浪記の林芙美子さん、都蝶々さんもジプシー的生き方だったのではないかと思う。

ジャズも虐げられた人々の、人生の歌。単なる哀しみではない、哀しみが隠し味になって、より命を輝かせている。私が、ジャズが好きな理由が、わかった気がした。

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