所有せず、執着もせず、
何か、目に見える価値ある物を所有したがるのは、通常の人間にとって当たり前のこと。より高級なレベルの衣食住を求めて生きる。
人間関係に於いても、大切に思う人と、自分が誰よりも一番近い人になりたいと願う。
所有は、それを維持するための心配や苦しみで、寧ろ、自分に余裕がなくなって行くのに気づく。所有することが寧ろ、苦しみの根源になって行く。
一番近い人たることを願って、その隔たりを感じる時、その哀しみは厳然と迫って来る。60兆もの生物たる細胞から成る人間が、それぞれの個体たる人間が時に一体感を感じていれるのは、自分を中心に考えるあまりの悲しい誤解に過ぎないと思う。
所有せず、執着せず、なおかつ、人生の素晴らしさを感じられる境地。それが、宇宙と一体化した、大安心の世界だと私は夢見る。
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