ムツゴロウさんのような人
私が、製油所の現場で勤務していたころ、新入の大卒を教育するような立場の先輩がいた。
厳しかったり、面白かったり、楽しかったり、可愛かったり、滑稽だったり、職人的に仕事がうまかったり、飲むと危なっかしかったり、決して憎めない、とても優しい、何だかとてもユニークなキャラクターの先輩だった。先輩は、大卒の我々を毎年、本社へ送り出して、30年近く同じ職場を全うして、6年前に退職した。
その送り出された卒業生は全員、今でも、その先輩の周りにいたい家族のような気持ちのようである。昨日、懐かしい先輩の家に7人で訪問、同窓会をした。みんな、何回も、横浜で酔っぱらった先輩を家まで送った経験がある。世田谷の下馬の自宅へ送り届け、そのまま泊まることもあった。奥さんは当然全員と顔なじみ。
その先輩は、動物と戯れるムツゴロウさんのように、人間が社会生活で持つ警戒の境界を取り除いてしまう能力があるのだと思う。昨日も、昔のように「バシッとやれ!」と声をかけられながら飲んだ時、皆の笑顔は、優しい両親と一緒にいるような、穏かな、純真な笑顔だった。それにも増して、先輩の内面から湧き出るような優しさを想い出した。 人生の中で、色んな場面で、帰りつきたいような、穏かな気持ちになれる人。先輩は、動物におけるムツゴロウさんみたいな存在なのではないかと思った。
Comments
素敵な先輩ですね。
また、素晴らしい出会いですね。
Posted by: のほほん | September 11, 2008 12:28 PM
のほほんさん、人間の多様な特徴は、注目すると、驚くべき芸術品のようです。
会社では、役員より、その先輩が、実はカッコ好いように感じます。印象も何倍も、大きいです。
本音で、誠実に生きてる事が伝わるのでしょう。
Posted by: life-artist | September 11, 2008 11:38 PM