「ホームレス中学生」
最近、理髪店で見た週刊誌で、ベストセラーになりつつある「ホームレス中学生」の存在を知った。漫才の麒麟と云うグループの田村裕さんの体験記。その時までは、麒麟とか田村裕さんとかの名前も知らなかった。
母を大腸ガンで亡くして、父親と兄弟3人の4人で暮らす中流家庭だった彼は、14才の時、父が病気とリストラで、父が家族に"解散"を宣言して失踪、子供たちはホームレス化。彼は一番下の14才、兄達に迷惑かけないようにと、一人で、公園の滑り台の下で生活し始めた。お腹がすいて草も食べた。
お金も無く万引きを考えた時、不図脳裡に浮んだのは母の顔だったと云う。母が万引きを止めてくれたと云う。
捨てた父は恨んでいない。父もギリギリまで頑張って上での失踪だったと。再会した父が、歯が1本しかなかったことを気遣っていた。僕は頭が悪く、元々アホなんです。恨む気持ちは無いですと云う。
幸せのハードルを下げればどんなに幸せかと彼は云う。その証拠に、喉が乾いた時の、水がどんなに美味しいかを例えた。
彼は、私が知る最も美しい日本人の一人だと直感した。
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