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July 01, 2007

東急線8000系との別れ

今日の昼、東急線の白楽駅の踏み切りを渡るときに、沢山の鉄道マニアが、駅や踏み切りそばに集まっているのを見た。近寄って、何が通るのですか?と聞いてみたら、「8000系の車両が通るのです」とのことだった。

私は、鉄道マニアの気持ちは余り分からなかったが、目の前で、熱心に車両を待つ人達を見ていたら、急に知りたくなり、一緒に車両を待ってみた。10年くらい走り続け、これで姿を消す車両に、最後のお別れを、最後の勇姿をカメラにおさめているのであった。

日常乗る電車の車両のことなど、ほとんど漠然としか見ていなくて、気にもしていなかった車両も、これが、最後と思うと、確かに、一期一会のような緊迫感や愛着感が湧いてくる。慣れ親しんだ人生の光景が、今一つ消えて行くと思うと、確かに、この人達も芸術的な感性で、車両を写真にとどめているのだと思った。

8000系の車両は、角ばって、心なしか弱々しく疲れたような銀色の車体を表し、渋谷方面と消えて行った。車両を写真におさめる人達は20代から30代の男性が多いが、彼等は、消え行く車両の持つ、哀愁や栄枯盛衰、美などを
身体で直感して、カメラに向かっているのではないかと思った。 突然の日常で出遭った何気ない、8000系との別れであった。

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