市場価値の渦潮
市場は、ものの交換、売買をする場所、自己の各々所有するものの価値を測る場所。
人間は、人生は、この市場の渦潮の中で、洗濯機に放り込まれた蟻のように、翻弄されて、グルグル回っている。時に右に、時に左に、時に乱流に。
人生には、交換出来ないものがある。どうしても、引き受けなければならない宿命もある。他の人には計れない価値が、夫々の人の心の奥にはあると思う。
姜尚中さんは、漱石の「こころ」を論ずる中で、価値の品定めをする時代、市場の時代の中で、「真面目に生きる」ことの美を説いた。
自分だけにしか分からない価値、其れは生きて来た証。堂々とした、生きている実感。