磐越西線、SLの旅
SLの汽笛、蒸気、線路の石、SLの煙の匂い。昨日やっと、念願のSLに会津若松から新潟まで乗ることができた。
子供時代に、母や姉や妹とSLに乗って行った長崎への旅が脳裡に浮んだ。子供だけの旅で、鹿児島本線の大牟田から、長崎本線に乗り換える鳥栖まで、母が見送りに来てくれた時もあった。トンネルを数えたり、急いで窓を閉めるのも楽しかった。
トンネルの中では、天井の大きなオレンジ色の灯り、赤茶色の木の色の車内を、何十年ぶりの友人に会うように眺めた。窓を開けて、先頭を見ると、カーブにさしかかるSLが、蒸気を下に、横に吐きながら、私が子供時代に見た時のように、頼もしく私を引っ張っている様子が見えた。時折、畑の中で、ポー と汽笛をあげてくれて、ありがとう。
時折見える民家のそばで、3~4才の女の子達二人が、ぴょんぴょん飛び上がって、"わー""わー"と叫び、SLの姿に喜んで手を振っている。明治・大正時代の尋常小学校の國語の教科書の挿絵みたいな光景。
水田や畦道に射す夕日が綺麗だった。煙の向こうには、母や父の顔、長崎の親戚の人達の顔も浮んだ。
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