小さな魚の集まり
人体は60兆の細胞から成り立っていると云う。それぞれの細胞は一つの生き物。どれひとつ人工的には造りだせない。それらの細胞は、それぞれに毎日死に絶えるものもあれば、また生まれて来ている。総体としては、人間と云う一つの生命体を成している。
小腸の栄養吸収細胞の寿命は24時間と云われる。一番長いので骨の髄の細胞で7年くらい。60兆の細胞を一つの生き物と捉えると、細胞ごとのバラバラな寿命が、また不思議な調和した生命体を形つくっている。毎日が葬式と誕生祝いの日々。
昨日、友人と話していたら、臓器移植は、「臓器が生きているから移植するんだよネ」と云って、はっと驚かされた。脳や心臓の細胞が死んでも、60兆の細胞は、同時に死なないことは想像できる。
小さな小魚が、沢山集まって、大きな魚に見せかけて生きる様子が、何故か人体のように思えて来た。
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