電信柱の想い出
ジェンキンスさんの母との再会と、その後の日本への帰国のニュースで私自身の体験を思い出した。
10数年以上も前、まだ両親が生きている時、横浜から九州の実家に年に1回か2回、私が数日帰省した頃のことを想い出す。、帰省最後の日が近づくと、重苦しい空気で親子お互いに押し黙り、寂しさをこらえた。
年老いた病気の両親との別れが、どんなに辛かったかを想いい出す。 何故、自分はこんな人生を歩んでいるのだろうかと自分が選択した人生を恨めしくさえも思った。 道路に面した実家の前の電信柱の陰で、私の乗ったバスを、ずっと見送る母の姿を思い出す。 私よりも、何倍も辛かったことだろう。 父は男らしく、外には見送りに出なかったが、その時の気持は親子だから十分わかる。 今も、建て替えられた新しい弟の家の前に以前と同じ、電信柱は立っている。 今でも、バスのなかから振り返ると、母が手を振っているような気がする。
« 人生への私のこだわり | Main | 大敗北の効用 »
Comments